福島県社会福祉士会
県北方部
2024.3.27「尾畠春夫魂の生き方」尾畠春夫著
2018年に山口県で行方不明となった当時2歳の男の子を無事に救助し、全国から称賛された尾畠春夫さん。このことをきっかけに、ライフワークである災害ボランティアの活動も広く知られるようになりました。
この度の能登半島災害ボランティア活動にも、尾畠さんのお話は参考になる部分が多く含まれます。
さらに、考え方、生き様、哲学が、武士?と思わせるほど、かっこいいです。ぶっきらぼうな印象がありましたが、被災地での住民やボランティア運営者へのアセスメントも欠かさず、記録して、しっかり効率化も進めます。
「被災地では、拾って来たものではなく、探させていただいたもの。」という概念等見習うことが多い書物です。
2024.2.20「夜明けのすべて」福島フォーラムで上映
PMS(月経前症候群)で感情を抑えられない女性とパニック障害になり生きがいも気力も失った男性を中心とした物語です。そうしなければならない感のある現代社会で、弱くても背伸びせず、変にかっこつけない表現が多い瀬尾まいこさんの書籍を映画化したものです。
おせっかい者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思い、お互いのことを考えます。時にかみ合わないこともありますが、異なった方が「ともに生きる」を絶妙に表現しています。病気であっても自分らしく振舞うことの大切さを、そして誰も傷つけず、時に「くすっ」とした笑いのある作品です。
2024.2.15苦情申し立てた人の80%がリピーターになる。
昨今、福島県内でも虐待や権利侵害が報道等で明らかになっています。これらを防ぐ仕組みとして苦情解決がありますが、「苦情」と聞くと少し耳を塞ぎたくなりますね。
福祉サービスを提供するものとして、苦情解決体制を構築するように社会福祉法に定められていますが、苦情申し立てた顧客に迅速に対応・解決すると80%がリピーターになるというジョン・グッドマンの法則があります。苦情に対する向きあい方をもう一度考えることが大切なのかもしれません。
2024.2.8心の傷を癒すということ劇場版のチャリティー・オンライン配信
阪神淡路大震災で被災者の心のケアに尽力した精神科医を描いた映画『心の傷を癒すということ 劇場版』が、「能登半島地震」への支援として3月31日まで配信されています。
「合同会社ミナトスタジオ」は、能登半島地震が発生し、震災で苦しむ方々、被災者を支えたいと思っている方々のために何かできないかと考え、映画『心の傷を癒すということ 劇場版』製作委員会と協力して実現しました。
いまだからこそ、心のケアについて認識を深め、避難されている方に私たちができることを行えればと思います。
チャリティー・オンライン配信はこちら→https://realsound.jp/movie/2024/01/post-1556483.html
2024.1.30身寄りのない方は病院に行くのを我慢してしまう。
1月28日(日)県北・相双方部医療ソーシャルワーカー協会、精神保健福祉士会、社会福祉士会の3団体合同で、身寄りのない方の支援を考えるセミナーを開催し、スタッフ等含めて85名の方が参加しました。
身寄りのない方の入院や意思決定について話し合いましたが、このセミナーの中で「身寄りのない方は、身寄りがいないために、病院に行くのを我慢してしまう。」という発表がありました。身寄りがいないことが、高齢者等の見えない負担となり、病気を悪化させるということにソーシャルワーカーは何を考え、どのようにアプローチすべきなのでしょうか?
2024.1.16こども食堂ならぬシニア食堂
孤食等が課題となって始まったこども食堂。しかしながら、高齢者の孤立化、そして孤食も大きな課題の一つです。こうした課題に、全国では、だれかと「しょっぱいね。美味しいね。」といいながら食べるシニア食堂が実施されています。シニア食堂によって、見守り活動、栄養の偏り改善、外出支援につながっているようです。実施場所は、NPO法人事務所、特別養護老人ホームやお寺等で行われているようです。大事な取組ですね。
2024.1.10「心の傷を癒すということ」安克昌著
阪神・淡路大震災で自らも被災し、手探りで始めた精神医療活動の記録。震災直後、避難所や仮設住宅生活で、精神障がいを抱えた方だけでなく、それ以外の方や支援者も意識しても気づかない心の傷。
今年の元旦、能登半島地震が起こりました。今後、生活支援や福祉的支援へのフェーズに移行する中、見ようとしても見えにくい心の傷に専門職はどのようにアウトリーチすべきか?指針となる一冊です。
2024.1.5「私の仕事」緒方貞子著
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。年末年始、県内障害者施設における虐待、能登半島地震、飛行機の衝突事故と悲惨な出来事が続き、心を痛めている方が多いと思います。
さて、今回は1991年から10年間にわたり国連難民高等弁務官を務められた緒方貞子さんの書籍紹介です。この本では、難民支援から考える世界の舵取りについての想いが綴られています。難民支援は、日本人には馴染みが薄いですが、読み込んでいくと、被災地・被災者支援と重なる部分が多く、緊急的な状況下で現場の状況を如何にして、政治、行政のトップや事務方に伝え、実行にこぎつけるのか?緒方貞子さんは、10年間に幾度となく難民キャンプ等の現場に足を運び、願いを聞き、紛争地域や関係各国等のトップと毎日のように協議や要望をしていました。平和とは積極的に掴み取るものという気迫に圧倒されると同時に、同じ日本人にこんなに素晴らしい方がいることに誇りを感じる一冊です。
2023.12.26弱いロボットが周りをいきいきさせる。
豊橋技術科大学の岡田美智男教授(福島県生まれ)は人とロボットの相互作用を研究し、弱いロボットを作りました。ロボットと言えば強く、正確な機械というイメージですが、弱いロボットはパーフェクトでないからこそ、周りが心配して、考えたり、行動を起こしたりするというコミュニケーション進化に役に立つと考えているようです。
弱さを開く文化がいきづらさを無くすヒントだと岡田先生はおっしゃいます。弱さを出せることが本当の強さなのかもしれませんが、弱いロボットは、その気持ちを引き出す工夫の一つかもしれません。
2023.12.19「水平線」福島フォーラムで上映
ピエール瀧さん主演、震災後の南相馬等が舞台の映画「水平線」がフォーラム福島で上映されました。妻を津波で失ったピエール瀧さんは、海に亡くなった方の骨を撒く、散骨業を営み、娘と二人暮らしです。そこに、引き受け手のない殺人した人の骨を海に巻いてほしいと殺人した人の弟から依頼があります。そこに目を付けたジャーナリストが「殺人した人の骨を海に撒くとは何事だ」と騒ぎ立てます。
このことから、数年前ある芸人の母が生活保護を受給していたことを自民党議員が正義を振りかざして、騒ぎ立てたことを思い出しました。
何が正義なのか?何が正しいのか?自分の価値観と他人の価値観の優先度合い等、考えさせられる内容でした。
2023.12.6「苦しかったときの話をしようか」森岡毅著
USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)のV字回復で有名なマーケター、実業家である森岡毅氏が、娘の就職活動のためのアドバイスを書籍化したものです。
この本の中で、森岡氏は「自分の特徴を見出し、自分がどんな仕事や活動をしたいか考える」そして「自分の特徴を理解すれば、その特徴を活かして続ける努力ができる」と言っています。個人的には、特に後半の部分が腑に落ちて、仕事は勿論大切かもしれないが、自分の特徴をいかすことで「続ける努力ができること」が重要なのではないかと思いました。
対人援助職として「自己覚知」が必要と良く言われていますが、自己覚知で得たものを利用して、粘り強く継続することが大切なのかもしれません。
2023.11.14疑問を持たないことは奴隷と同じ?
自立支援等を考えた時、意思決定支援が重要というのは皆さんご承知のとおりだと思います。しかしながら、意思決定を引き出すことは非常に難しいこともご理解いただいていることと思います。
では、なぜ意思決定が難しいのでしょうか?現代、効率性を重要視するあまり、様々なことが与えられたものの中で、あまり考えずに進められることが多くなっています。そのために疑問を感じることなく物事が進むことが増えているのではないでしょうか?クライエントに意思決定を進める前に、私たちが疑問を持つ癖をつけなければならないのではないでしょうか?
2023.11.10障がい者の働く意義を再度考える
経営者も働く人も、賃金を少しでもアップさせたいのが、本音です。勿論これは、障がい者の就労にもいえることですが、ある障がい者の就労支援を経営する方が「情けでもらっている作業は、障がい者が敏感に感じ取る」とお話していました。単にお金を稼ぐことでなく、仕事に誇りをもって行うことが長続きする秘訣であることは言うまでもありませんね。
2023.10.31「企業トップの社会貢献活動」
「地域課題の解決者」というと、どんな方を想像しますか?「自治会、社会福祉協議会、議員等」があげられるかと思います。
突然ですが、アメリカのシリコンバレーでは、現地の大学、自治体、企業のトップ層が集まって地域課題の解決に取り組む活動が積極的に展開されているそうです。日本は日本らしい地域共生社会の育て方があるのかもしれませんが、格差社会が広がる中、海外を見習うことも必要かもしれません。
2023.10.27「スタンフォード式人生を変える運動の科学」ケリー・マクゴニガル著
スタンフォード大学の心理学者が書いた書籍で「運動」が苦手な方は、ちょっと・・・と思うかもしれませんが、そういった方に是非読んでほしいと思います。
運動と人間の高揚感をリンクさせて、持久力が脳内活性することや脳卒中を経験した方がスクワット連続500回できるようになる話等が収められています。
その中で、困難を前に人は協力することや助けてもらう経験することが高揚感に繋がることも科学的に説明しています。地域共生社会づくりにも一役買う考え方かもしれません。
2023.10.17「キリエのうた」フォーラム福島・イオンシネマ福島
歌うことでしか、自分を表現できないキリエ。その人生の中で、東日本大震災、未成年の懐妊、犯罪、姉妹や親子の絆、友人より戸籍上の血縁を優先する考え方等、見る人に様々考えさせる出来事が起こります。
ちょっとした役でも多くの有名なキャストが出演していて、3時間近い映画ですが、ドキドキしながらあっという間に時間が過ぎました。
東日本大震災は忘れられない、忘れてはならないものですが、この映画で、あらためて考えたり、家族や知人と話したくなりました。
2023.10.11子どもに「貢献」することを理解してもらうために大人がすべきこと
ある小学生低学年の子どもがヘアドネーションをしたいと美容院に相談に来ました。その子どもの家族によると、小児がんなどにより髪を失った子どもたちのことを家庭で話したところ、子どもは、自らの髪を切って、使ってほしいと話したそうです。
子どもにとって「社会貢献」は難しい言葉で、理解しにくい行動かもしれないですが、大人が課題を明確にして呼びかけることで、子どもたちの心が育つのかもしれませんね。
2023.10.5あらためて「受容」を考える。
福祉の現場でよく耳にする言葉「受容」。バイスティックの7原則にも「受容」があげられています。辞書では「受け入れて、とりこむこと。」とあります。
どうしても、「受容」と聞くと「ありのまま受け入れる」と考えてしまいます。しかし「ありのままでよい」と「受け入れる」ことは別であり、クライエントが「辞めたい、生きるのがつらい。」の言葉を良い・悪いと評価するのでなく、客観的な視点で、クライエントの言葉に耳を傾けることなのでしょうね。
2023.9.5「102歳、一人暮らし」石井哲代著
広島県の山あいの町で畑仕事をしながら一人暮らしを続ける哲代おばあちゃん。哲代おばあちゃんの名言やチャーミングな写真が掲載されていて、読めば「うまいこと老いる」極意がわかります。
人生100年時代といわれる現代日本で、お手本ともいうべきおばあちゃんですが、心の持ち方など、若い世代でも当てはまる考え方を教えてくださいます。
「できなくなったことを追わない。心が身体を引っ張るから、心がしんどくならないようにする。」102歳の方の言葉は心に響きます。
2023.8.30「下手くそやけどなんとか生きてるねん。」渡邊洋次郎著
今年の県医療ソーシャルワーカー協会、精神保健福祉士会、社会福祉士会合同のソーシャルワーカーデーで講演してくださった渡邊洋次郎さんの書籍で、薬物やアルコール依存で48回の精神科病院入院、刑務所服役者のリカバリーのお話です。
この本の中で、ソーシャルワーカー等の専門職に投げかけた言葉があり、印象的なので、ご紹介します。「依存症者が再入院した時、本人だけの責任だけ言及されるけど、専門職は責任がなかったのか?依存症者は医療専門家でないし、福祉の専門家も教育専門家でない、教育専門家も医療専門家でない、依存症者本人も多くの専門家に耳を傾けて、様々な立場の方々が協力し、一緒にやることでのプロセスやレールが繋がるのではないでしょうか?」この部分だけ切り取ると誤解を与えるかもしれませんが、渡邊さんは、他機関・多職種連携の中にクライエント本人をメンバーの一人と考えて欲しいと訴えることにソーシャルワーカーとして心を揺さぶられます。
2023.8.23「全国の社会福祉士の同志は?」
7月1・2日に大分県別府市にて第31回日本社会福祉士会全国大会・社会福祉士学会が「現実社会と向き合うソーシャルワーク」をメインテーマに掲げて開催されました。個人的に、観光を目的に全国大会に参加するようになっていましたが、九州は遠いけど、これを逃したら大分に行く機会はないかな…と考え、参加してきました。
意識の高い社会福祉士に鼓舞され、社会福祉士として何ができるのか?再考する機会となりました。特に、青森県社会福祉士会では第3次中期計画に則り活動していました。中期計画があることに尊敬の念を覚え、3回目となっていることに更に驚きました。ソーシャルワーカーの育成に邁進している同志に頭があがりません。
2023.8.16「障がいもさらけ出すと楽になる」
以前も掲載した「目の見えない白鳥さん、アートを見に行く」がドキュメンタリー映画化され、猪苗代町の「はじまりの美術館」も紹介されています。
この映画の中で、白鳥さんは「さらけ出すと楽になる。生活しやすくなる。」と話しています。障がいをあからさまにさらけ出すのは勇気のいることです。しかし、その先に人間らしさやその人らしさが見え、多様性の大切さが感じられるようになるのではないでしょうか。
なお、この映画の上映会+トークイベントがはじまりの美術館で2023年8月19日(土)開催されます。https://hajimari-ac.com/enjoy/event/shiratori/
2023.7.21「幸せホルモンのオキシトシン」
オキシトシンは、下垂体後葉から分泌されるホルモンです。オキシトシンが増えると、集中力の向上、ポジティブになるなど幸福感が高まるため「幸せホルモン」とも言われています。この幸せホルモンはどうすれば増えるのでしょうか?人は何かに繋がった時、増加すると言われています。好きなものを見つけた。人と繋がれた。(会った。手をつないだ。)おいしい食べ物に出会えた。(食べた。)
先日、北海道にバイクツーリングに行きました。ツーリング中、すれ違うライダーが左手を挙げ、手を振ったりしてあいさつし、お互いの旅の安全を祈ります。知らない人と繋がった瞬間、気持ちが高揚します。
「生きにくさを感じていない、どこに相談していいか?わからない。SO
2023.7.4福祉教育における貧困的福祉観
アイマスクをしての視覚障がい者体験や高齢者疑似体験が「貧困的な福祉観の再生産」につながることが指摘されて久しく経過しましたが、現在もその状況が大きく変化したように思えません。
学校の先生は多忙を極め、更に人材不足、福祉現場もこの分野を若手に任せがちな構造となっています。体験することによって「できること」と「できないこと」を理解し、生活のしづらさを軽減していく方法を一緒に考えあう視点を伝えなければなりません。
これを実現するには、教育現場と福祉現場がしっかりとタックを組み、子どもたち等にどうすれば伝わり、理解し、感じ、行動するのか?真剣に継続して考え続ける必要があるのではないでしょうか?
2023.6.28「福祉だからこそスタイリッシュに!福祉だからこそ経営戦略をもって!」
先日、社会福祉士の仲間とあきた結いネットという生活困窮者支援を目的とする法人の見学をしてきました。その中で、法人の理事長は「福祉だからといって、儲けやスタイリッシュを求めないと持続できない」と話されました。
福祉というとボランティアや片手間で行う等のイメージはまだまだ残っていると思います。情熱だけでは「本当に良いものは作れない、持続できない」改めて考えさせられる機会となりました。
2023.6.21「怪物」フォーラム福島、AEON CINEMA福島で上映
第76回カンヌ国際映画祭の最優秀脚本賞受賞した是枝裕和監督の「怪物」。最初の1/3は、シングルマザーの教師・学校不信が募るドキドキ、ハラハラが止まらない展開でしたが…
切り取り方が異なると全く別ものに感じられる…。ソ―シャルワーカーも多様な価値観で物事をアセスメントしなければならないという教訓になりますよ。
2023.6.15「キッズ・アー・オールライト」丸山正樹著
ヤングケアラー、パパ活、日系外国人問題など現代社会問題が浮き彫りになる中で、NPO法人のメンバーが決してあきらめず、立ち向かっていく姿が描かれています。
このNPO法人は単に支援だけでなく、元風俗で働いていた子どもに傾聴相談の仕事を依頼するなど、支援を受けた子どもたちに役割を与え、社会や地域に参加できるような配慮をします。
国は、地域共生社会を目指すため、重層的支援体制整備事業を進めていますが、この事業は「属性を問わない相談支援」、「参加支援」、「地域づくりに向けた支援」を一体的に実施するとしています。「参加支援」は持続性を考えた時に大切な支援ですね。
2023.6.9「失敗は成功より大事」
先日新聞を読んでいたら、ある新社会人の方が講演会で、高校生に向けて「失敗は成功より大事」と伝えていました。結果や成功に目が向けられる社会で、新社会人がこの言葉を放ったことに嬉しさを覚えました。
福祉の仕事をしていると、どうしてもできないことや失敗に目が行き、そのことがレッテルや差別につながると日頃感じています。若い方々が、失敗等に意義を見出し、失敗等の過程を大事にして、その人らしさを尊重する社会づくりのリーダーになることを心から望みたいと感じました。
2023.5.30「上を向いてアルコール」小田嶋隆著
「40歳で酒乱、50歳で人格崩壊、60歳で死にますよ」と医者に宣告された著者。なぜ、自分だけが脱け出せたのか? 約20年の歳月を経て、自分がアル中であったこと、脱アル中への道がどんなものであったのかを綴ります。
著者はアルコールを辞めるということは「忍耐や我慢のレベルでなく、一から生活プランニングを組み替えること」と話しています。そう考えると、アルコール依存から抜け出すことは容易でなく、自分一人の力では及ばないことが想像されます。アルコール依存から抜け出すためには、家族や福祉・医療関係者全員が真摯に向きあって取り組むことが絶対的に必要であることを教えてくれる本です。
2023.5.24「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」川内有緒著
「2022年本屋大賞 ノンフィクション本大賞」受賞!書店員が選ぶ、いちばん読んでほしいノンフィクションになりました。
映画化もされている著書で、全盲の白鳥さんが知人・友人たちと美術館巡りを楽しみながら、障がい、社会、人間を考え、自分自身を見つめ直します。
「障がい者のあるべき姿って何なのか?なぜ、障がい者は健常者に近づかなければならないのか?」まずは、多くの人が障がい者という先入観を外す努力をしなければならないのでしょう。「障がい者の世界に健常者が近づいて見ろ!」その通りだと思います。
また、この本の中では、猪苗代町のはじまりの美術館での鑑賞の様子も出てきます。
2023.5.19 こどもの権利は難しい?!
4月からこども家庭庁が発足し、子どもの権利が議論されていますが、特に大人は、自分の感覚で子どもの幸せを語ることに注意が必要です。しかしながら、未熟な子どもの本当の気持ちは、わかりにくいもので(子どもが「これを言っても無駄だ」「相談しても大ごとになるのでないか?」等考えて…)、そこを「でもやっぱりわかりたい」「だから子どもの話を聞いてみよう」という発想が非常に大切になるのではないでしょうか?勿論、同じ子どもであっても、年齢と場所等によって子どもの本当の気持ちが変わるのは押さえなければならないポイントになります。
2023.5.9「弱くても小さくてもゆっくりでもいい」社会への価値観転換へ
月刊福祉5月号の中で福祉ジャーナリスト町田俊雄さんは、認知症の方を見る視点を大切したいと話しています。そして、「強くて、大きくて、速い」を求める日本社会から「弱くても、小さくても、ゆっくりでもいい」という価値の転換の重要性を説いています。今後の福祉における施策、事業、経営視点として取り入れる必要性があるのではないでしょうか?
2023.5.2「THE SON 息子」フォーラム福島で上映
2週続けて映画案内です。優秀な弁護士ピーターは、再婚した妻と充実した日々を生きていたが、「父さんといたい」と前妻との17歳の息子と一緒に生活することになります。
息子は、精神的に安定せず自殺未遂を犯してしまいます。息子が運ばれた病院の医師は、息子の命を第一に考え、専門的見地から入院を父に迫ります。息子は、「二度とこのようなことをしないから自宅に帰りたい」と父に懇願します。決めるのは親権者である父親です。
医師は「愛情と命は天秤にかけられない、お父さん賢明な判断を」と促します。私たちソーシャルワーカーが虐待等に関わり、本人の希望や親族との関係性とリスクをきちんと整理できているのでしょうか?そんなことを考えさせられる映画です。
2023.4.25「生きるLIVING」フォーラム福島で上映中
黒澤明さん原作、ノーベル賞作家カズオ・イシグロさん脚本の「生きるLIVING」は、フォーラム福島で上映中です。
ストーリーは、長年公務員として務めた主人公が癌になり、余命半年を宣告されます。悲嘆にくれる主人公は、これまでたらい回しにされていた住民からの要望を真摯に受け止め、課や部署を横断して成し遂げます。
福祉分野でも重層的支援体制整備事業や多・他機関連携が叫ばれています。この映画を見て、課題を成し遂げる本質を感じ取っては如何でしょうか?
2023.4.21実習生がソーシャルワーカーになりたいかどうか?実習次第!
社会福祉士を取得して、全員が、福祉の仕事に就くのでしょうか?ある大学では、公務員になる方や一般企業に務める方も多いと聞きます。もちろん、それが悪いとか、良いとは言えませんが、せっかく勉強していたのであれば、仲間になってほしいと感じるところもあります。
同志になってもらうためには何をしなければならないのでしょうか?私たちがもっとソーシャルワーカー像を語り、磨き、伝えていく必要があるのではないでしょうか?
2023.4.12「生きのびるための失敗入門」雨宮処凛著
「失敗する」のが怖い?ひとつの失敗が命とり?元ひきこもり、探検家、オタク女子、元野宿のおじさんたちに聞いた、心が少し楽になる「失敗経験者」からの生きていくためのヒント集です。更に、ホームレス支援等のNPO法人抱撲奥田知志さんも出てきます。
この本の中で「弱さが人と人を繋げている」という文章が出てきます。この本を読んで、高齢者や障がい児者、子ども等に向き合う私たちは、生きづらさを抱える弱さを持つからこそ繋がる力を兼ね備えていると考えるべきと感じずにはいられませんでした。
2023.4.5「みんなのひきこもり」加藤隆弘著
精神科医が、従来のひきこもりに関する理解やその対処法を中心にしつつ、コロナ自粛のなかで心身の健康を保つコツも紹介しています。この「みんな」という言葉は、「みんな」でひきこもりを考えたいということと「みんな」がひきこもる能力を持っているという考え方です。多様性を考えるうえで、このような考え方はとても大切だと思います。他人ごとと考えず、ひとりでいる時間の大切さや他の人と距離を置くことなど思考の変化をもたらしてくれる本です。
2023.3.28「全盲捜査官のドラマスタート」
個人的な話ですが、私の尊敬する方に福山雅治さんと大泉洋さんがいます。その二人が、タックを組んで全盲捜査官のドラマがスタートします。全盲の人たらしFBI捜査官と、警察庁刑事が難事件に挑む姿を描くドラマです。
全盲の方が帯同しながら、撮影しているということ等から、内容的にも福祉的視点が組み込まれてくると思います。気分転換にご覧になってはいかがでしょうか?
2023.3.24「離職を防ぐには・・・」
「人がいない」最近は、コロナと並ぶ挨拶の枕詞ではないでしょうか?その中で、離職防止も人材不足には、欠かせないキーワードです。
離職防止のためには、まず、職員を孤立させないことが第一です。そのためには①自分の職種における離職状況把握、②辞めたくなるタイミングや理由把握、③上司の声かけ・関わり方、④職員自身が環境改善に取り組めるようにする等あげられますが、職場内だけでは、限界があります。そこで、外部の専門家に介入してもらい風通しの良い環境をつくることが、離職防止や人材育成に繋がるのだと思います。
2023.3.14「国際女性デー(3月8日)に考える地域社会を変える!」
3月8日は国際女性デーでした。この日に合わせて2023年の都道府県版ジェンダーギャップ指数が公表され、福島県は政治35位、行政31位、教育46位、経済10位と男女ギャップの大きさが浮き彫りになりました。
この状況を変えるには?そんな話題で福島中央テレビ等主催のパネルディスカッションが行われ、その中で「地域や社会を変えることはすごく難しいことです。相手を変えようとしても辛くなるので、まず自分が変わってみることが必要」と、あるパネリストが話していました。
私たち福祉・医療分野でも障がいや認知症の理解を広めることに苦労していると思います。まずは、自分が変わらないといけないのですね。
2023.3.7「THE FIRST SLAМ DUNKはプロセス重視」
このぼやきでは、2回目の登場SLAM DUNK。昨年12月3日に公開後、112億円超えの国内興行収入となっています。(私も4回見ました。)この大ヒットには、様々な要因がありますが、その一つにIT化等の効率ばかりが重視される現代に、一途に取り組み技を習得し、努力する姿への共感があると思います。
福祉の世界も、特にクライエント支援においては、すぐに結果がでないことが多くあります。しかし、プロセスがあってこその結果であり、本当に大切なのは、どのように結果にたどり着くかが大切なのかもしれません。
愚直な努力を続ける映画の主人公宮城リョータに想いを馳せながら、日々仕事をしたいものです。
2023.3.1ジェビロ磐田×磐田市社会福祉協議会「フードドライブ」
シャレン!リーグ社会連携は、まちづくり、教育等取組む地域の人・企業、団体、学校、自治体等とJリーグクラブが連携して、地域社会活動を推進しています。そして、全国各地でJリーグ・Jクラブと地域関係機関等が連携する取組が展開されています。
福島県にも、サッカーチーム、野球チーム、バスケットボールチーム等ありますが、一緒に活動して、地域を盛り上げたいですね。
シャレン!リーグ社会連携ホームページ https://www.jleague.jp/sharen/
2023.2.21「虐待経験者75%先生に相談できず。」
虐待受けた若者等を支援するACHAプロジェクトが2021年インターネットで調査した結果によると虐待経験者で先生に相談したのは25%でした。特に社会的に弱い立場になった時にSOSを出しにくいことを福祉・教育関係者は勿論、多くの方々が理解する工夫とアウトリーチの必要性を認識する必要がありますね。
2023.2.15「プロスポーツの興行はどうやって負けるかが大事」
元日本ハム社長の大社啓二さんは「プロスポーツの興行はどうやって負けるかが大事」と言っています。勿論、勝つことが応援する人に一番喜びを与えるのでしょうが、大差がついていても、最後まで粘り強く戦ったり、一秒たりとも気を抜かない守備を見せるなど、その一挙手一投足が感動を与え、また応援したい気持ちにさせるのかもしれません。
福祉の仕事も、幸せ度は様々、数値化しにくいこともあり、なかなか結果に結びつかないことが多いと感じられるかもしれません。プロセスや過程を大切に、ソーシャルワークに努めたいですね。
2023.2.8「厚切りジェイソン&矢沢永吉」
2022年の本のベストセラーランキング1位「ジェイソン流お金の増やし方」でした。その本の中で、「資産を増やせるかどうかは『すぐに行動できるかどうか』」と言っています。そして、矢沢永吉さんの名言「やる奴はやる。やらねえ奴はやらねえ。ヨロシク。」があります。リスクはあるものの、まずは行動が大切なのかもしれません。
2023.1.20「失敗を糧にする」
ロシアによるウクライナ侵攻に多くの方が心を痛め、一日も早い終結を願っています。ロシアのプーチン大統領が、毎朝書面で戦況報告を受ける際、常に成功が強調され、失敗は隠されているそうです。「あぁ、やっぱりな」と思うでしょうが、やはり個人・社会ともに失敗を良しとすることは、本当に重要であると感じます。
個人的にも仕事をしながら、失敗したくないとは思いますが、失敗に価値を見出すような、失敗を糧にして、クライエントや社会的に弱い立場の方々の支援にあたれればと思います。
2023.1.7「暗闇の中で飛べ」作詞作曲福山雅治
「暗闇の中で飛べ」という福山雅治さんの曲があります。その歌詞は「不安も後悔も連れて進むしかないのだ。恐れながらでも飛ぶのだ…」
クライエントのために行政に掛け合い、難しいと言われた時、ケア会議で行き詰った時、関係者に理解を得られなかった時…この曲を思い出すと、とにかくアクションしなければならないと背中を押してくれます。
2023.1.5「52ヘルツのクジラたち」町田そのこ著と映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」
52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラです。たくさんの仲間がいるはずなのにその声は届きません。家族に搾取や虐待され続けてきた女性と母親に虐待されている少年は、そのクジラと自分を重ね合わせます。
そして、昨年12月に公開された映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」。この映画にはクジラのような大きな生物トゥクルンが登場し、このトゥクルンも他の仲間に見捨てられてSOSが届かない生物として描かれます。
私たちのまわりにもSOSが出せない方がたくさんいます。私たちは、どのようにこのような課題に向かい合わねばならないのでしょうか?
2022.12.27「こどもまんなか社会で、保育所等での虐待追放へ」
富山市の認定こども園における園児に対する虐待事件、こどもたちのことを考えると、胸が痛くなります。虐待した人たちが、保育士という専門資格を持っているわけですから、とんでもないことと言わざるを得ません。そして、今後このようなことが、二度とおこらないようにするために、福祉関係者、社会福祉士として何ができるのか?検証を重ねて、しっかり考え、行動しなければなりません。
2022.12.20「SLAМ DUNKと地域共生社会」
バスケットボールマンガ「SLAM DUNK」の新作劇場版アニメ「THE FIRST SLAM DUNK」の映画観客動員ランキングは3週連続で首位を獲得するなど勢いが止まりません。先日も福祉関係者5名で話していたら、全員映画を鑑賞していました。
原作者で脚本、監督を手掛けた井上雄彦先生は、エンディング主題歌をお願いした10-FEETさんに「登場人物だけでなく、高校生の誰もが輝けるような曲に」といったオーダーがあったそうです。私たちの目指す地域共生社会も、誰もが役割を持ち、その人らしい生活を送ることができるような社会としていくことが求められています。「誰もが輝ける」を「SLAM DUNK」と一緒に進めましょう!
2022.12.14「夜明けのすべて」瀬尾まいこ著
全てにおいて順風満帆の山添くんは仕事もやる気に満ち溢れ、信頼できる友人も彼女もいる若者。その彼が、突然パニック障害となり、電車に乗るだけで、意識を失ってしまうようになり、生きているだけで精いっぱいと、すべてをあきらめて生活を続ける決意をします。しかし、新しい職場の人たちの理解に助けられながら、同じ様に月経前症候群でイライラが抑えられない女性に出逢い、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになっていきます。
日本は、何か失敗すると這い上がることのできない滑り台社会と言われて久しいですが、コロナ禍でもそういった方が多く表出しました。この本のように無理せず他人をさりげなく思いやる職場や関係者のような地域共生社会が実現するために私たち社会福祉士は何をしなければならないのでしょうか?
2022.12.5「人権擁護のために、法律が必要か?」
ノルウェーでは、患者の権利を規定した法を整備しています。ただし、患者の権利を法律で定めても、患者がその権利を行使できるかというと難しいようです。だからこそ、専門家がアドボケイターという形で国の負担でつけています。日本でも成年後見制度はありますが、専門職がアドボケイトの役割を更に認識して、実践する必要があるのではないでしょうか?
2022.11.30「自分に向き合うこと」喜多方ラーメン喜一社長 吉田満さん
喜多方ラーメン有名店のひとつ「喜一」、昼前でも「本日は終了しました。」の看板がでる人気店です。ここの社長吉田さんは、「楽しく仕事をするために自分に本気で向きあうこと」と話していました。ソーシャルワーカーもクライエント第一と言いますが、まずは自己覚知や自分を知ることが大切で、そこから自分とクライエント関係性の中での支援が始まるのだと思います。ソーシャルワーカーとして、自分を振り返ってみませんか?
2022.11.19「自分のストーリーを持って活躍することとナラティブアプローチ」
先日、奥会津在宅医療センター医師鎌田一宏さんが、福島、安積、磐城高校生に過疎地域の医療について講演をしました。その最後に「自分のストーリーを持って活躍してほしい」とまとめていました。相談援助の分野では「ナラティブアプローチ」という生活する上で、自分(誰もが)が主人公となる物語を紡ぐという支援方法があります。
「専門職は相談者を誘導しがち」「相談者は専門家の意見に同意し、そのとおりに実行しようと無理する傾向がある」このような悪循環を断ち切るため、ナラティブアプローチがあります。人材育成の面では、自分のストーリーを持って生活するよう心掛け、社会に出てからも支援者や関係者がその方中心の支援や環境調整することが重要なのでしょうね。
2022.11.13「障がい児者や生活困窮者の地域移行を考える。」
突然ですが、今の家を出なければならなくなったら、施設の共同生活を望みますか?それともアパート一人暮らしを選びますか?誰かと一緒にいたいということもあるかもしれませんが、多くの方がアパートを希望するのでないでしょうか?知らない人と共同生活をするのは、私たちも負担が大きいことですから障がい児者は更にエネルギーが必要でないでしょうか?
先日の研修で、障がい者のAさんは施設で問題を起こし、GHで問題を起こし、アパートの一人暮らしで安定した生活をしているという報告がありました。心の安定のためには、まずハウジングファーストから始まるのかもしれません。
2022.11.5「罪を犯した人を排除しないイタリアの挑戦」浜井浩一著
司法と福祉の連携でイタリア?少しピンと来ないかもしれませんが、日本よりも断然進んでいます。「司法と福祉の連携」といえば、日本の第一人者である龍谷大学の浜井先生が書いた本です。
様々参考になる実践や考察が記載されていますが、その中の刑の執行で、一部の受刑者は、レストランやビール・ビスケット工場等で働きます。月給も10万円で、その仕事に就けるか(受刑できるか)どうかは、罪名でなく、本人のやる気。そんな制度だからこそ受刑者の自尊心が向上すると言います。
まだまだ、日本では難しかもしれませんが、司法と福祉の大きな壁を乗り越えるヒントになるのかもしれません。
2022.10.25『チームのことだけ考えた。サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか』青野慶久著
サイボウスは、言わずと知れたグループウェアのトップランナーです。ITベンチャーでありながら、仕事を進めるうえで、見える化することが難しい課題を論理的にわかりやすく説明しています。
また、育休を6年にしたり、副業OKにするなど、働きやすい会社を目指し、チームワーク溢れる会社づくり、社会づくりを進めています。このチームワークづくりは、福祉関係者の地域づくりに合致するところがあります。青野社長の言うことを真摯に聞くことで、地域づくりが進展していくのではないでしょうか。
2022.10.16 映画「よだかの片思い」
生まれつき顔に大きなアザを抱える女性が、その生き方等を書籍化、映画化され、社会とのつながりや恋愛を重ねるストーリーです。
この映画の中で主人公のアザのある女性が、今まで恥ずかしがっていたアザが無くなる技術に出会いますが、同時にアザを残しておきたい気持ちが芽生えます。アザ自体を自分らしさとして受け入れる…障がい等を自分らしさとして受け入れる…
私たちに障がいとは何か?考えさせられる映画です。
2022.10.9 2025年夏季大会デフリンピック東京開催が決定
聴覚障がい者の国際総合スポーツ大会「デフリンピック」の2025年夏季大会の東京開催が決定しました。デフリンピックは1924年フランスで開催され、1960年のパラリンピックよりも歴史があります。
世界のトップクラスのアスリートが日本で活躍する姿が見られるのは楽しみですね。
2022.10.2 異種格闘技と多・他職種連携(アントニオ猪木さん逝去から)
日本のプロレス界をけん引し、国会議員としても活動した元プロレスラーのアントニオ猪木さんが10月1日、亡くなりました。
アントニオ猪木さんを語るうえで伝説が多数ある中、ボクシングの世界ヘビー級チャンピオンモハメド・アリさんとの異種格闘技があります。ジャンルの異なる方との一戦は今のK1やプライド等に通じて、格闘技の概念を大きく変え、格闘技の発展に大きく貢献されました。
私たち福祉・医療関係者も多・他職種連携が叫ばれて久しいですが、他や多くの分野と連携を図ることで、クライエントの幸せにつながることは明白です。アントニオ猪木さんのご冥福をお祈りいたします。
2022.9.25「身体知と言語」奥川幸子著
言わずと知れた奥川幸子さんの集大成ともいえる相談援助面接の本です。670ページの大作で、初めのうちは、わからない部分もありますが、読み進めるうちに点と点が繋がっていくようにわかりやすくなっていきます。
「筋道を立てたアセスメント」「エンパワメント」「潜在的強さ」「俯瞰的に眺める」「内省」等、様々なキーワードや福祉実践が出てきます。いざ自分で面接の時にまねようとしますが、同時に全てのことができずに挫折する自分がいますが、年に数回は振返りたい著書です。
2022.9.11「支援者が本人不在に抵抗する」
先日、長期入院患者の地域移行についての学習会に参加しました。その中で発表者が「支援者が本人不在に抵抗する」「支援者がクライエントに時間を差し上げる」という言葉を発しました。忙しさや困難さを理由に支援者本位になっている愚かさにハッとさせられ、胸が張り裂けそうになりました。
また、ある認知症当事者の講演会でも、認知症当事者から「認知症の方が集められて、運動やお話を聞きたいわけではない。運動やお話を聞かせたいのは運営したり、支援する側の考えだ。私たち(認知症当事者)は、話を聞いて欲しいだけだ。」と発言があり、猛省させられました。「意思決定支援」「当事者主体」と言っているだけでは何も変わらないのかもしれません。
2022.9.4「福祉の仕事したい人を増やすには」
福祉・介護人材不足と言われて久しいですが、賃金の低さや重労働等様々な問題はありますが、その理由の一つに小さなころから福祉・介護職を身近に感じてもらう工夫がもっと必要なのだと思います。
静岡県浜松市では、介護施設が職員の子どもと近隣の小学生を預かる「かいご寺子屋」を実施しました。子どもに福祉や介護の姿を見てもらうことが、将来福祉や介護職を目指す子どもを一人でも増やすことが狙いだそうです。
いつか、子どものなりたい職業1位がソーシャルワーカーになることを願ってやみません。
2022.8.30「心を鍛える言葉」白石豊著 NHK出版
福島大学名誉教授であり、サッカー日本代表岡田武史元監督のチーム作りをメンタル面でサポートし、多くのトップアスリートのメンタルの指導も行っている白石豊氏が2005年に発行した著書。17年も前の本ですが、現在のメンタルトレーニングの礎になっている内容で、相談援助職としても見習いたいと思う考え方がちりばめられています。
「サポートする者として、しっかり話を聞く」と記載されていますが、私たちも「傾聴」を心がけています。話してもらうことによって、支援を必要としている方がすっきりすること以外にも支援を必要としている方が「客観化」できる効果もあると著者は言います。援助職として、傾聴することの重要性を感じる機会になるはずです。
2022.8.21「星を掬(すく)う」町田そのこ著 中央公論新社
DV、未成年のシングルの出産、幼い頃のトラウマ、若年性認知症等抱える女性たちが一緒に暮らす物語。さまざまな痛みと苦しみを受けて交錯しながらも、やがて見つける光を描き出します。
複雑な親子の関係がある中で、あえて冷たくも、はっきりと伝え、傷つき、悩み、前を向こうとする姿に、関係性の中で生きることの難しさと人間としての強さを感じ取れます。「家族や親って言葉を鎖にしちゃだめ」きつい言葉でしたが、心に刺さりました。
2022.8.16「8月は平和について考えよう」
8月は広島と長崎に原爆投下、原爆死没者慰霊式等が行われ、終戦の日もあり、平和について想いを寄せる月でもあります。また、残念ながらロシアによるウクライナ侵攻が続いております。コロナ禍で静かに過ごすお盆に「平和」について自問自答、身近な家族や知人等と話し合っては如何でしょうか?関係するテレビ番組、映画や本を読むのも良いですよね。
2022.8.6「破戒」フォーラム福島
島崎藤村不朽の名作が60年ぶりに映画化されました。被差別部落出身ということを隠して、小学校の教員となった主人公は出自を隠すこと悩み、差別について真剣に向き合います。「差別を産むのは人の愚かさではなく、弱さ」福祉の仕事をしている人間として心に響きました。
2022.6.26「孤独を感じる人の半数は相談しない」
孤独を感じても周囲に打ち明けない人の半数は「相談しても変わらない」と諦めている。野村総合研究所が行った「コロナ禍の生活の変化と孤独に関する調査報告」(2022年5月9日)によって、このような傾向が明らかになりました。
孤独を相談しない理由は、さまざまあると思いますが、福祉の仕事をするものとしては、「相談したいと思っていない」方が相談するようにはたらかける必要があると思います。そのためには、工夫された相談支援体制の整備やより多様な「居場所」づくり等がこれまで以上に求められるのではないでしょうか?
2022.6.19「人前で発表するコツは?」
人前で話すのは苦手です。得意な人っているのでしょうか?先日久しぶりに人前で話したら、上がってしまって途中何を話していいか?わからなくなってしまいました。
社会福祉士は、様々な方を巻き込むためにも「わかりやすく、伝わる発表」が求められます。先日、ある方の発表する時のコツを聞いていましたが、最後は「発表に一生懸命頷いてくれる人を探して、その人を見て話す。」「何度も経験して慣れる。」とおっしゃっていました。回数も必要なのかもしれません。
2022.6.5「デジタルとAIの未来を語る」オードリー・タン著
台湾のデジタル担当政務委員である著者は、世界のなかでもいち早く新型コロナウイルス封じ込めに導いた方として有名になりました。
福祉・医療関係者としては、AIは少し遠い存在と考えているかもしれませんが、このオードリー・タンさんは、これから大切なことは「AI、5G、クラウド、ビッグデータ」などではなく「持続可能、イノベーション、インクルージョン」と迷いなく訴えます。その考え方の中心には、「誰一人置き去りにしない」をモットーに置いています。
日本が目指す地域共生社会にも絶対取り入れたいアイディアが豊富に含まれています。地域福祉関係者のみなさんは勿論、ソーシャルワーカーに必要なエッセンスをこの本で取り入れてみてはいかがでしょうか?
2022.5.29「誰一人取り残さない」は可能?
SDGsの理念「誰一人取り残さない」、地域共生社会を目指すために「誰一人取り残さない社会に向けて」、総務省も「誰一人取り残さないデジタル化の実現に向けて」と謳っています。誰一人とは可能でしょうか?少人数の犠牲はあり得るのでしょうか?
自殺対策の目標で「自殺者数を○○人以下にする」は不自然さを感じます。やはり「誰も自殺に追い込まれない社会の実現」なのだと思います。そのように考えると、「誰一人取り残さない気持ちを誰もが意識する社会づくり」が「誰一人取り残さない」の意味するところなのだろうと思います。
2022.5.22「こどもの居場所。居場所に行かなくても存在することが大切。」
全国社会福祉協議会が発行する「月間福祉6月号」のMy Voice My Lifeという当事者語りのコーナーがあります。
里親に育てられたAさんが、中学生のころに「実母のところに戻らないか?」提案を受け、Aさんは「里親宅から離れたくない、でも実母が嫌なわけじゃない」と答えます。
その時の里親さんが3つの提案をしてくださいました。「①携帯電話持つ②長期休暇に里親宅に帰ることができる③高校卒業するまでいつでも戻れるように里子の枠を確保しておく」でした。
「Aさんが実母のところに行っても家族でなくなるわけじゃないよ」と里親さんはおっしゃいました。改めて居場所があることがAさんの支えになったことは言うまでもありません。
2022.5.21「シン・ウルトラマン」フォーラム福島、イオンシネマ福島で上映中
日本アカデミー賞最優秀主演男優賞の西島秀俊さん出演をはじめとする豪華俳優・女優陣のシン・ウルトラマン。人類の知恵と勇気の積み重ねが、外星人ウルトラマンの気持ちを動かすストーリー。あらためて、小さなことも協働すると大きな力になることを感じました。
そして、米津玄師さんの主題歌がぴったりマッチしていて、映画見た後ダウンロードして何百回も聞いてしまいました。
さらに忘れてならないのが、ウルトラマンの生みの親が須賀川市出身の円谷英二さんであること。福島県人の誇りです。
2022.5.15「日本でいちばん大切にしたい会社」坂本光司著
「人にやさしい経営」の重要性、認知度が高まり、「働き方改革」が進む中で、このシリーズはNo.7まで刊行されています。7冊で24の会社が紹介される中、福島県内の会社「株式会社クラロン(福島市)」「株式会社アポロガス(福島市)」「陰山建設株式会社(郡山市)」と3社も紹介されています。
この中で真に正しい経営が実践されている企業は5つの言い訳をしないと言います。
①景気・政策が悪い②業種・業態が悪い③規模が小さい④ロケーションが悪い⑤大企業や大型店が悪い…ミーティングや会議でも見習いたい心得ですね。
2022.5.8「劇場版ラジエーションハウス」「アンビュランス(救急車)」
二つの映画とも、ジャンルは異なれど緊急時対応についての映画です。福祉・医療現場の私たちは、災害時や緊急時どのような気持ちで対応しなければならないのか?そのためにどんな準備が必要なのか?考えさせられました。
ラジエーションハウスでは「医療関係者は病気を見るのでなく人を診る。」という言葉が響きました。福祉関係でも水害時等ボランティア実施にあたり「泥を見ずに人を見る」という言葉があります。緊急時でもきちんと人に寄り添いたいものですね。
2022.5.1知らない外国人からクッキーを!
知人が、数人で道路のゴミ拾いをしていた時のお話です。休日の朝、ゴミ拾いをしていたら、知人のところに車が止まり、その車の窓が開き、中から外国人の男性が「君たち素晴らしいから、これをあげる。」と流暢な日本語で、十数枚入ったクッキーを渡して、そのまま立ち去ったとのことでした。
「何とかっこいいんだろう」と思うと同時に「外国では見返りを求めない感謝の恩送りが当たり前に行われているんだろう」と考えました。日本でもこんな文化が大きく育まれると良いですね。
2022.4.24「仁慈隠惕(じんじいんてき)」
先日、福島放送「ほっとネットとうほく 慈愛のふたり~会津のナイチンゲール瓜生岩子と渋沢栄一」という番組を見ました。瓜生岩子刀自は戊辰戦争で、敵味方の区別なく負傷者の手当てに奔走、さらに現在の福島愛育園(児童養護施設)の前身である「福島鳳鳴会」に育児部を設け、常に貧しい人々のことを考え、子どもたちがよりよく育つようにと努力しました。また、当時63歳の高齢にもかかわらず、渋沢栄一の要請により東京養育院幼童世話係長を引き受けて上京し、約半年間ほど勤めています。
瓜生岩子刀自のおっしゃる言葉に「仁慈隠惕」があります。これは「人には皆、他人の不幸を平気で見ているには、耐えられない心がある。」という意味です。ウクライナ侵攻、コロナ禍といった世の中で、福祉の仕事をするものとして「仁慈隠惕」が身に染みます。
2022.4.17「とんび」フォーラム福島・イオンシネマ福島で上映
重松清さんの永遠のベストセラー「とんび」、親子の絆を描く感涙の名作が映画化されました。鑑賞中は何度も涙をこらえるシーンに遭遇しました。この映画の中で、息子役の北村匠海さんが、高校野球部で後輩にけつバット(お尻をバットで叩く)をして、父親役の阿部寛さんに「弱い者いじめするな」と怒られて、結果的には殴られます。息子は「自分が先輩から今までやられてきたから自分が後輩にやり返さないと損をする」と答えます。父親は「誰かが止めないとこの習慣は終わらない」と息子を諭します。
虐待している人は虐待していることに気付いていないことが多く見受けられます。いじめ問題にも同じようなことがあることを福祉職としてよく考えなければなりませんね。
2022.4.10「共感疲労」
ロシアによるウクライナ侵攻に心を痛める多くの方々、このニュースに普段の心の持ち方に影響を与えているのではないでしょうか?「ウクライナでは大変なことが起きているが、自分は何もできない」等考えて気持ちが弱くなっていませんか?これを「共感疲労」というそうです。
特に福祉や医療の仕事をしている皆さんは、仕事の中でもこの「共感疲労」に襲われることがあるそうです。克服は難しいですが、少しウクライナのために寄付するなど、できること(できる範囲)から始めることが大事なようです。もちろん、自分の体を健康に保つことが第一です。
2022.4.3「夢をかなえるゾウ」水野敬也著
ごく平凡なサラリーマンが「神様」を名乗る謎の生物・ガネーシャによって自らの人生を変えていく物語。テレビドラマ化もされ、第4弾まででています。
数多い名言がある中で「愛の反対語は憎しみでなく、無関心」という言葉がでてきます。地域社会の中でも隣に住む人がどんな人かもわからないという無縁社会が叫ばれていますが、無関心が引き起こす課題の多くは、福祉に携わる私たちが「無関心」にしているわけにはいきません。
2022.3.27「3月9日レミオロメン」
3月ももうすぐ終わりですが、卒業式や送別会等があり、別れの季節となると思い出す曲がレミオロメンさんの「3月9日」です。(ギリギリ3月なので良いでしょうか)この歌詞の中で「まぶたのうらにいることで、どれほど強くなれたでしょう」という部分があります。利用者さんに思い出してもらうほどたいしたことはできていませんが、支援したことが、利用者さんの中で小さくても何らかの力になればと思う今日この頃です。
2022.3.26「只見高校」ツイッターでトレンド入り
第94回選抜高校野球大会に21世紀枠で初出場した只見高校。開会式の入場行進の映像では、雪回廊の中で行進する13名の部員たちが映し出されました。1回戦の大垣日大との試合では、1-6で敗れましたが13名が掲げた「笑顔で全力プレー」を体現して、得点シーンなどに多くのツイートがありました。冬の厳しい寒さに耐え、花開いた只見高校ナインに福島県民として誇りを感じる試合となりました。
2022.3.20「九十歳。何がめでたい」佐藤愛子著
軽妙洒脱なエッセイで知られ、年を取ることでの不便を思ったままに批判する佐藤愛子さんは現在98歳。
本文の中で「結局、人間という者は、わからないまま受け入れる以外はない。」とあります。私たち福祉・医療職は、当然アセスメントをして見立てをしますが、受け入れてからが、本当の勝負と覚悟しなければならないのだと改めて感じました。90年生きてきた方が言うのですから説得力がありますよね。
2022.3.14「第45回日本アカデミー賞」
第45回日本アカデミー賞授賞式が2022.3.11開催され「ドライブ・マイ・カー」が最多8冠となりましたが、受賞された映画のテーマは、家族の死、東日本大震災、生活保護、元受刑者の生きなおし、老後の生き方等など…多種多様で、特に私たち社会福祉士の支援する方々に重なっていると感じました。
そして、受賞された方々のあいさつのほとんどに「微力ではあるが、映画を通じてコロナ禍、ウクライナ侵攻が治まり、平和になるよう…」という言葉で締めくくられていました。私たちが受賞された素晴らしい方々と同じ気持ちを持っているだけで、福祉・医療職として元気をもらえます。
2022.3.5「ペルソナ脳に潜む闇」中野信子著
ホンマでっか !?TV等テレビコメンテーターとしても活躍する脳科学者が、親との葛藤、少女時代の孤独、男社会の壁など人間の本質をやさしく見つめ続けながらも、激しくつづった思考の遍歴。
この本の中で「本当に溺れている人は、絶対的に呼吸が先で『助けて』なんて言えない。」と綴っています。福祉業界でも「SOSを見逃さない」と言われますが、私たちの支援する方々で本当に困っている人は「SOS」の考えを整理できない、恥ずかしくて言えないということが多々あると思います。そうした方には「大丈夫?」と伝わるように手を差し伸べるアウトリーチ力が必要なのでしょうね。
2022.3.1「孤立された方(ヤングケアラー・触法障がい者等)の支援から地域共生社会を考える」公開セミナー開催
2月26日(土)Zoomで53名の参加を得て、標記セミナーを開催しました。「地域共生社会」は大切とわかっていても、専門職として、どのように関われば良いのか?わからない。というところでしたが、参加された多くの方は、事例から障がいや子ども、高齢にとらわれることなく、多機関連携や他分野連携の重要性を学んだようでした。
2022.2.20「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」東田直樹著
以前映画でも紹介しました書籍です。人との会話が困難で気持ちを伝えることができない自閉症者の心の声を、著者が13歳の時に記した本書。世界28か国で翻訳されている世界的ベストセラーです。
この本の中で、「もし、普通になれるとしたらどうしますか?」の質問に「僕たちは、自閉症でいることが普通なので、普通がどんなものかわかりません。自分を好きになれるのなら、普通でも自閉症でもどちらでもいいです。」と答えています。「普通」って何なのか?自閉症が特殊なものとしてとらえたのは誰の見方なのか?考えさせられます。
2022.2.13「べてるの家(精神障がい者等抱えた方の「当事者研究」について)」
べてるの家を知っていますか?1984年に設立された北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点で、その活動はとても有名で、べてるの家の活動を応援したり、共感する人たちを福祉・医療関係者の間では「べてラー」ともいいます。
当事者研究とは、精神障がい者等が、なぜ他害を起こすのか?なぜイライラするのか?当事者主導で、スタッフやメンバーととことん話し合うのです。そして、自分のトリセツを作り、周りの方々との共同を目指します。周りの方も当事者が自分のことを説明するので、理解しやすいですよね。
その中で一番大切にしているのは、失敗することを非としないことだと言います。今の時代、失敗が絶対悪的な考え方があります。社会に迷惑をかけない小さな失敗を繰り返して、大人になっていくのではないでしょうか?
2022.2.6「前科者」フォーラム福島で上映
「人生につまずいた孤立した方々を寄り添いで救えるのか?」有村架純さんが保護司として、司法と福祉行政から漏れた方を、一人の保護司、一人の人間として、弱みを見せながらも、前科者の生き直しに寄り添う本格的社会派映画。
出演者も北村有起哉さん、マキタスポーツさん、宇野祥平さん、木村多江さん、リリー・フランキーさんと超豪華!
コロナ禍、福祉専門職とは何か?悩みながら仕事している方もそうでない方も必見です。
2022.2.5「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治著
人口の14%程度いるとされる「境界知能」に焦点を当てた本で、累計65万部発行のベストセラーです。今、福祉業界でもアウトリーチが叫ばれていますが、このような子どもたちには、「あなたをみていますよ。気にかけていますよ。」的なかかわりが重要と言われています。
福祉・医療専門職には、このような子どもたちに「どのように関わり、社会にこのことをどのように働き掛けるか?」求められているのではないでしょうか?
2022.1.29「Zoomハウリングで障がい児者の気持ちを知る」
先日、Zoom打ち合わせに参加したところ、私が話しているときのハウリングがひどく、私の気持ちは伝えているものの、周りの反応は・・・私の話し方が悪いの?私は的外れのこと言っているの?と思い、それからしばらく話せなくなってしました。
自分の気持ちが伝わらないって、こんな気持ちなのだろうか?障がい児者は、こんな気持ちになってしまい、自分の気持ちを言えず、言うのも面倒になり、モヤモヤだけが残ってストレスだろうなぁ。
「障がい児者への寄り添いをもっと考えるべきなのだろうなぁ。」と感じたZoom打ち合わせでした。
2022.1.22「Z世代のSDGs!ファッションから社会問題へ」
SNS等の発展により、若い方々は特に自分に興味のあること以外には興味がなく、社会問題への意識も薄いようです。そんな中、サステナブルブランド「coxco」を運営している西側愛弓さん(20代)はファッションを通じて若者に社会問題に関心を持ってもらおうと努めています。
私たち福祉専門職も子ども、障がい、高齢、困窮等自分の専門以外の分野に精通しているのでしょうか?国の進める重層的支援体制整備事業(地域共生社会)は社会福祉士等専門職に縦割りの社会に横串を指す役割を期待しています。
2022.1.17「新規学卒就職者3年以内で離職率3、4割」
令和2年度における新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者36.9%、新規大卒就職者で31.2%です。
職場が職員を育てるのは当たり前ですが、若手は自由に育てた方が、やりたいことをやらせてもらえて責任も感じて、限界も知り、自ら勉強するようになるようです。みなさんの職場はどうでしょうか?
2022.1.15「道標(みちしるべ)」福山雅治さん
私の尊敬する人の一人福山雅治さん。昨年のNKK紅白歌合戦で白組のトリを2年連続飾りました。その時の歌「道標」の歌詞で「愛に出逢い 愛を信じ 愛にやぶれて 愛を憎み 愛で赦し また愛を知る 風に吹かれ迷いゆれて」とあります。ソーシャルワーカーとして「利用者に出逢い 信じ やぶれ 憎み 赦し 愛を知る」…
人と人なので、このように迷いゆれながら利用者に寄り添いたいなぁと感じる今日この頃です。
2022.1.10「成年18歳」
今日1月10日は成人の日です。みなさんの成人の日にはどんな思い出がありますか?
さて、成年年齢を18歳に引き下げることを内容とする「民法の一部を改正する法律」は、2022年4月1日から施行されます。これは、18歳、19歳の若者の自己決定権を尊重するものですが、これらの若者の自由度が高まる分、社会や大人は思春期の若者に対する支援を今まで以上に厚くする必要があるのではないでしょうか?
社会福祉士の倫理綱領(倫理基準)にもクライエントの自己決定の尊重がありますよね。
2022.1.2「今年のやることを考えましょう!」
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
さて、2021年となりました。一番の関心事は「コロナ」というところですが、みなさん個人個人、家族及び会社での2021年の目標は何でしょうか?小さなことでも、1か月に一度でも、趣味のことでも、せっかくの機会ですので、目標を定めませんか?「週に一度は身体を動かす」「毎月5のつく日は、仕事で利用者との話す時間を意識する」何でも良いです。できるだけ具体的にしたいことを決めましょう。それが、皆さん個人や利用者の幸せにつながるはずです。福島市内は大雪に見舞われていますが、前向きにできることを考えてみませんか?